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- 当院のこだわり
地域に支えられて50年以上、
患者さまとの関わりを重視する父の方針を継ぎつつ、時代のニーズにも配慮します
患者さまとのコミュニケーションを大切にしていた父の診療風景に惹かれ、同じ道へ。白内障・緑内障など加齢に伴う疾患だけでなく、増加傾向にあるスマホ世代の若い患者さまの目のトラブル対処にも力を入れています。
眼科の医師を目指したきっかけやエピソード
父のミステリアスかつ親しみのある診療風景に惹かれ、後を継ごうと思いました。
私は医学部に入る際にも入ってからも、眼科以外を専門にしたいと思ったことはありません。というのも、子どものころから診てきた父の診療風景に影響されたからだと思います。
昔の眼科は、検査機器の光源も弱く、カーテンを閉め切って部屋を暗くしておく必要がありました。そんな暗闇の中で見る目の中の世界とは一体どのようなものかと、素朴な探求心がわいたものです。
他方で、父は話好きな性格で、患者さまとのコミュニケーションをとても大切にしていました。例えば、目に関する患者さまの訴えを聞くだけでなく、世間話などを通じて全身の疾患の可能性まで細やかに診ていました。目の症状には高血圧症や糖尿病の管理状況なども現れるので、食生活を気遣うアドバイスなどもしていたのを覚えています。私も父のような医師になりたいと思い、今に至ります。
医師としてのやりがい
治療で目が見えるようになっていく喜びを患者さまと共有できるのがやりがいです。
例えば、白内障の手術をしてだんだん視界が明るくなってきて、今まで見えなかった、ほこりレベルの細かいものが見えるようになったころに、「もっと掃除ちゃんとせなあかんわ」とか「私の顔、こんなにシワ多かったんやね」など言われていた患者さまもいましたが、嬉しい苦情で微笑ましい限りです。
手術治療を施しただけで終わるのではなく、術後の経過もフォローして、患者さまの日常生活に必要な目の機能が改善されるのを見とどけるまでが治療だと考えます。ですので、目が見えるようになっていく喜びを患者さまと共有できることがやりがいです。
診療の際に心がけていること
モニター画面をお見せしながら、疾患の位置や原因、治療法を具体的に説明しています。
目の状態は普段は見えないので、モニター画面をお見せしながら具体的に説明することを心がけています。例えば、「角膜に傷があるからごろごろするんですよ」とか、「ここにバイ菌が入って炎症を起こしているんですよ」というように、どこがどのような状態なのかを画像で説明すると、患者さまもわかりやすいかと思います。
費用が高額な治療もありますし、治療しなくても直ちに目が見えなくなるわけではないけれど、今、しておかないと後で取り返しがつかなくなるというような治療もあります。そういう場合でも、できるだけ患者さまに治療のモチベーションを高めていただけるよう、病気の状態をしっかりと理解し、納得していただけるようなコミュニケーションを大切にしています。
院内でのこだわり
院内はバリアフリー設計にこだわり、院内感染対策にも力を入れています。
移転前は建物の2階だったのですが、通院してくださるお年寄りの患者さまにも配慮し、移転先として路面の場所を選びました。院内もバリアフリー設計で、トイレの間口を広くして車いすや歩行器を使用されている方でも出入りが楽に行えるよう配慮した造りになっています。
また、待合室には雑誌などを置かないようにしています。というのも、お子さんからお年寄りまで、さまざまな方が雑誌に触れることになります。その手を介して目に雑菌が入ったり、院内感染したりするのを予防するためです。他方で、テレビを設置して、目薬のさし方や近視の成り立ちなど、眼科として啓発すべき内容を流しています。
普段から気をつけるべき点
長時間目を酷使したり、むやみに目を触ったりするのを控え、目を休めることが大切。
最近は、スマホを長時間使用する機会も多いかと思いますが、できるだけ時間を区切って休憩を入れ、継続して1時間以上使用しないのが理想です。お仕事などでどうしても難しい場合には、ブルーライトカット作用がある眼鏡を使用することをおすすめします。
また、ものもらいができやすい方は、アレルギー体質で目をこすってしまいがちだったり、逆さまつげの方は異物感で目を掻きやすかったり、大人の女性の場合は化粧品が目に触れて雑菌が入ったりと、目の疾患にはさまざまな体質や習慣が影響していることもあります。寝不足や身体の免疫力が下がっているときなどにも発症しやすくなります。目の休息が大切なのはもちろんですが、患者さまの体質や習慣も踏まえたアドバイスをしていければと思います。
目の健康維持のためにお伝えしたい注意点
時代の変化や患者さまのニーズに合わせて目の健康管理をお手伝いしていきたいです。
最近では若い方にコンタクトレンズのトラブルが増えてきています。その原因の1つは、インターネットで気軽に購入できるようになり、眼科での検診を怠っている方が増えていることです。また週7日、1日10時間以上装着している方も要注意です。トラブルを起こしてしまってから目薬で治療をしても、生活習慣を変えないとなかなか症状は改善しません。装着しない日を作ったり、装着時間を短くしたりして、できるだけ目を休めるよう心がけましょう。
また、意外に思われるかもしれませんが、小さいお子さんの場合、結膜炎の原因が鼻風邪のこともあります。その場合、目の症状は目薬でよくなりますが、鼻の方の治療も並行して行わないと再発をくり返してしまうので、耳鼻咽喉科の受診もご検討ください。
白内障の方について、当院では手術に対応していませんが、どのタイミングで手術を行うかについては患者さまとしっかりと相談するようにしています。症状の程度を見きわめつつも、医師が一方的に治療方針を決めるのではなく、患者さまの普段の生活スタイルを尊重しながらすすめることが大事だと考えています。